投資信託(投信)
複数の投資家から資金を集め、投資の専門家が有価証券に分散投資してその利益を投資家に投資額に応じて分配するものです。
集められた資金は「ファンド(信託財産)」と呼ばれ、投資信託委任会社が運用を行います。
リスクは投資家が負い、元本保証はありません。信託財産の管理は信託銀行が行い、投資信託の販売・換金は証券会社や金融機関などが行います。
そのメリットは巨額の資金が集まるため多様な運用が可能に点にあり、株式を始め、国債、公社債、転換社債などに分散投資することでリスクの軽減を図れます。
運用状況に関しては「運用報告書」などによって、投資家に対し情報が開示されます。
投資信託委任会社
投資信託の運用を行う会社。
かつては証券会社が投資信託の運用も兼ねていましたが、1960年代の始めに分離が進み大手証券会社系列の投資信託委任会社が設立されました。
金融ビッグバンによる規制緩和によって金融機関を始め様々な業種からの参入が相次いでいます。
基準価格
投資信託の1口当たりの価格。
変動する投資信託の純資産価格を投資信託委任会社が評価して売買基準価格を公表するもので、単位型が毎日曜日、追加型は毎日公表され買付けや換金の際の基準とされます。
分配金
投資信託の配当金。投資信託の収益は、株式の配当や公社債の利子から生ずるインカム・ゲイン、有価証券の売買損益(キャピタル・ゲイン)によって生み出され、決算の際に投資家に分配されることになります。
償還/繰り上げ償還
単位型投資信託の信託機関(3年~7年)に投資家に対してお金を返すこと。信託財産に運用によって得られた収益を加え、投資口数に応じて償還金が支払われます。
一方、信託期間中に解約が増加するなどして運用が困難になった場合などに、信託期限を待たずに償還することがあります。
これを「繰り上げ償還」と呼びます。
多くの場合、残存する元本が約款に定めた一定の額を割った際に繰り上げ償還を行います。
オープンエンド型投資信託
投資家が自由に換金することが可能な投資信託。信託財産は時価で解約を受け付けます。
クローズエンド型投資信託
投資家から集めた信託財産が閉じられており、原則として投資家からの買い取りに応じない投資信託のこと。投資家は換金ができないので、証券会社が買い取って取引所なので他の投資家に売られます。
の場合価格は信託財産の1口(あるいは1株)の価格とは一致せず、低く評価される場合がほとんどです。しかし信託財産が動かないために安定的な運用が可能となります。
会社型投資信託/契約型投資信託
投資信託の種類。投資を目的とした会社(証券投資法人)を設立して運用することを「会社型投資信託」と呼びます。
主にアメリカに多いタイプで投資家はその会社の株に投資して配当を受け取る形を取ります。
一方の「契約型投資信託」は日本に多く、投資信託委任会社(委託者)と信託銀行(受託者)が信託契約を結ぶことによって設立される投資信託です。
投資家から集められた資金は信託銀行が管理を行い、投資信託委託会社によって運用されます。
株式投資信託
契約型の投資信託のうち、株式を組み入れる投資信託のこと。少しでも株式が組み込まれたものはすべて株式投信です。
株式を組み入れる比率によって「安定型」(50%以内)、「安定成長型」(70%以内)、「成長型」(70%以上)に分けられます。
リスクは大きくなりますが高い収益が望めます。
公社債投資信託
契約型の投資信託のうち、公社債を組み入れる投資信託。株式は一切組み入れずに運用されます。株式投信に比べると安定性にポイントを置いたものといえます。
単位型投資信託(ユニット型)
購入できるのは募集期間だけで、追加募集されることのない投資信託。契約後は追加投資することはできません。
一定の信託期間(クローズド期間)が決まっており、その間は解約も不可。
株式投資信託と公社債投資信託があり、代表的な商品には「ファミリーファンド・ユニット」(株式投資信託)や「長期国債ファンド」(公社債投資信託)などがあります。
追加型投資信託(オープン型)
運用が開始された後でも購入することができる投資信託。契約後も追加投資が可能です。運用期間が定められておらず、株式のように売買差益を得るために運用することもできます。
代表的な商品に「ミリオン(従業員積立投資プラン)」があります。
従業員持ち株会が自社株以外に投資する場合に利用される商品で、株式投資信託にあたります。公社債投資信託の代表的なものとしては「MMF」があります。
MMF(マネー・マネジメント・ファンド)
短期公社債やコマーシャルペーパー(短期・無担保の約束手形)など国内外の1年未満の短期金融商品で運用される、追加型の公社債投資信託。証券会社などが販売を行い、投資信託委任会社が運用を行います。
毎日決算が行われ、運用実績に従って利益は全額投資家に分配されます。また分配金は基本的に毎月末の最終営業日に一括して再投資されます。
92年に発売された当時は預入金額が100万円以上・1万円単位でしたが現在は申し込み・換金ともに1円単位に引き下げられました。
最高500万円までは申し出当日に換金が可能で、それ以上は翌営業日となります。
ただし30日未満で換金する場合には1万円につき10円の信託財産留保額が差し引かれます。
銀行の通常の定期預金などよりも有利なため未曾有の低金利時代を反映していっそう人気が高まっており、個人投資家や企業の資金が流れ込んでいます。
中期国債ファンド(中国ファンド)
2年から4年の中期国債を主に組み入れた追加型公社債投資信託。収益は1ヶ月単位で再投資され複利で運用します。
1980年に創設された当時は中期国債の組み入れ率が50%以上とされていましたが、後に30%以上に引き下げられています。
いつでも換金が可能ですが、30日未満で換金する場合には1万円につき10円の信託財産留保額が差し引かれます。
株式を組み入れないことで利回りが安定しているという長所があり、80年代に個人を中心に人気を得ましたが、徐々にMMFにその座を明け渡しつつあります。
長期国債ファンド
長期国債を中心に組み入れた単位型の公社債投資信託。信託期間は5年。収益を毎年受け取る「分配金」と、再投資して満期に一括して受け取る「無分配型」があります。
1口1万円単位で、1年後からは自由に換金可能ですが1年未満で換金する場合には1口150円の信託財産留保額が差し引かれます。
長期国債の組み入れにより中国ファンドよりもいっそう安定した収益確保を目指す商品です。
インデックスファンド
日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)などの平均株価指数(インデックス)に連動して運用成果を上げることを目的とした追加型投資信託。
申し込みは1万円単位でいつでも換金でき、年1回分配金を受け取ります。
東証第一部株式200銘柄以上に投資するため、市場全体に投資する商品と考えることができます。売買のタイミングがつかみやすく煩雑な情報収集がさほど必要ない点が特徴で、アメリカなどの平均株価指数を対象とした商品もあります。
先物取引
1982年にアメリカで導入された制度で、ある株式を、将来特定の日にあらかじめ定められた数量、価格で受け渡しすることを決めておく取引の形態。
日本では87年に大証で「株式先物50」が発売されたのを皮切りに、88年に東証が「TOPIX先物」、大証が「日経225先物」を発売しました。
これはともに株価指数を株式のように取り扱って売買するものです。
つまり「ダウ(日経平均)という名の株」が登場したのです。株価指数といっても、先物取引の場合は実際の株と同じように扱いますから、将来日経平均が上がると予測する人は買えばいいし、下がると予測するなら売ればいいわけです。
これらをまとめて「株式先物取引」といいます。
先物取引とは、実際に株の売買を行うのではなく、売買の約束をしておく制度のことです。
この約束は必ず守らなければなりませんから、約束した日までに株価が上がると予測するなら、「売り契約」を結んで、その株を現時点で買い入れます。
そして約束の日がくるまでに、タイミングをはかって売るのです。実際に株価が上がれば、差額が利益になります。
株の売買は信用取引のように、委任証拠金を入れるだけで行えます。委託証拠金は売買金額の9%、最低600万円以上となっています。
小さな資金で、大きな取引ができるわけです。
差金決済
売った価格と買った価格の価格差で、利益を受け取ったり、逆に損失分を支払ったりする決済方法のこと。
限月
先物取引は、株価指数のように実際にはない商品を扱っているわけですから、売ったものは買う、買ったものは売るというように、反対売買によって契約が終了します。
この最終決済日のことを「限月」といいます。この期間内であれば、自由に売買できます。
3、6、9、12月を限月としており、各月の第2金曜日の前日と決められていて、最長1年3ヶ月の5限月取引姓をとっています。
裁定取引
先物市場と現物市場の価格差を利用して、確実にしかもリスクなしで取引を行う方法。先物取引を利用した取引ですから、取引最終日(限月)までに、反対売買によって差金決済します。
例えばAという銘柄が、先物市場では1000円、現物市場では800円だとします。このときは割高な先物市場のものを売って、指定する限月までに買い戻す契約をします。一方、現物市場では同じ銘柄を買っておきます。
そうすると先物市場の方は徐々に価格が下がり始め、現物市場の方は徐々に上がり始めます。売り注文が多ければ株価は下がり、買い注文が多ければ株価が上がるのは市場の原則です。
最終的に、理論上は現物市場の価格と先物市場の価格は一致します。先物とはあくまで投資家の予測によって動いているわけですから、予測された日が近づけば、現実に近づいていくのは当然のことです。
こうして両者の差が縮まったときに、反対売買、つまり先物市場では買い戻し、現物市場では売り抜けるのです。
そうすれば、利ザヤが稼げます。
裁定解消売り
裁定取引を解消するために現物を売ること。当然現物の株価は下がっていきます。
もし、日経225の銘柄全部を大量に売り出せば、株価が大暴落する恐れもあります。
実際に、90年に株価が急落した原因は、この裁定解消のための現物売りが引き金になっていたといわれています。
デリバティブ
「金融派生商品」。株式や債券といった現物(原資産)から派生した金融商品であるためこのように呼ばれており、1998年に日本版ビッグ版の一環として全面解禁となりました。株式を売買する権利を取材材料とするオプション取引や、将来の相場の変動を予測して「売買の予約」を取引材料とする先物取引、異なる通貨の債券・債務や異なる種類の金利を交換するスワップ取引(交換取引)などがあり、いずれも高収益を望める取引として個人投資家からも注目されています。
ただしリスクが高く巨額の損失を出す企業などが相次いだこともあり、市場に混乱を招くとして規制の方向に動いている国もあります。
オプション取引
株式や債券などを、特定の期日までにあらかじめ設定した価格で売買する「権利」を取引すること。
売買の価格は市場価値に左右されることはありません。買う権利を「コール・オプション」、売る権利を「プット・オプション」といい、あらかじめ設定した価格のことを「権利行使価格」といいます。
また権利を支払う際に支払う料金を「オプション料(またはプレミアム)」といいます。
期日が来た際に買い手はそのときの価格によって、権利を行使するか、転売するか、放棄するかという選択肢があります。
仮に予想がはずれ株価が下がったとしても、権利を放棄すれば損失はオプション料のみとなります。一方売り手は予想が当たればオプション料を手にすることができますが、はずれた場合でも価格に関係なく権利行使に応じなければならず大きな損失がでる可能性があります。
現在上場されている株式オプションには、東証の「TOPIXオプション」や大証の「日経平均オプション」、東証と大証の「個別株オプション」などがあります。
個別株オプション取引
個別の銘柄を対象としたオプション取引。1997年のスタート当初は東証、大証とも20銘柄を採用し、後に銘柄数の拡大が行われました。
個人投資家がオプション取引を行うことは不可能でしたが、金融資産の海外流出に対する懸念から、日本でも魅力的な個人向けデリバティブ商品開発を望む声が高まりようやく現実にこぎつけました。
「株券オプション」とも呼ばれ、市場の活性化に期待が集まっています。
ストックオプション
会社の経営者、役員、従業員があらかじめ定めた価格(行使価格)で自社株を購入できる権利。
日本では当初ベンチャー企業などに限って認められていましたが、1997年の商法改正で全ての企業に導入することが認められました。
数年間の権利行使禁止期間が設定されていますが、この期間を過ぎたときの株価が行使価格よりも高ければその差額を報酬として受け取ることができます。
従業員に目的意識が生まれ業績の向上にもつながり、経営者も株主や株価に対してより目を配るようになると考えられます。
転換社債(CB)
発行企業の普通株式に転換できる権利を与えられている社債。投資家は一定期間を過ぎれば株式に転換して売却することができるため、株価が上昇していれば値上がり益が得られます。もちろん社債として満期まで持ちつづけることもできますし、株式に転換して株として保有することもできます。
転換社債は元本が保証されているため株式よりもリスクが低く、一般的に株式の配当よりも高い利子収入が得られるというメリットもあります。つまり転換社債は株式と社債の両方の性格を併せ持っており、投資家にとっては株式よりも有利で安定した商品といえます。
一方、企業にとっても、発行する際に定める利率(発行利率)が通常の社債よりも低いため、低金利で社債を発行し資金を調達できるという利点があります。
社債は会社にとっては借金ですが、株式に転換された時点で借金を返す必要がなくなる上、資本金に組み入れられて資本金が充実する点も大きなメリットといえます。
なお、転換社債を株式に転換する際、株式1株を得るために必要な転換社債の額面金額のことを「転換価格」と呼びます。
また株式に転換可能な期間(転換請求期間)は、通常発行後半月~2ヶ月後から償還日の前日までとされています。
パリティ価格
転換社債を株式に転換した場合の評価を「額面100円当たり何円」と表すもの。株式に転換するタイミングを計るための判断尺度となります。理論上の価格を表すためには「理論価格」とも呼ばれます。
計算式は、株価÷転換価格×100=パリティ価格(円)となります。
この計算式によって算出されたパリティ価格が転換社債の時価より高ければ、転換社債は割安ということになります。
乖離率
転換社債の時価が、パリティ価格とどの程度離れているかを見るための比率。
計算式は、乖離率=(転換社債の時価-パリティ価格)÷パリティ価格×100 となります。乖離率がプラスのときは転換社債のままで売却する方が有利で、逆に乖離率がマイナスとなったときは株式に転換した方が有利になります。
株式への転換が損になるか得になるかを表す重要な数字と言えます。
新株引受権付社債/ワラント債
ワラント債の正式名称は、「新株引受権つき社債」で「WB(ワラント・ボンド)」と略します。通常の社債に、株式を取得する権利が付いています。
転換社債と似ていますが、転換社債が株式に転換すると社債の部分は失ってしまうのに対し、ワラント債は社債の部分と株に転換できる部分は別物ですから、株式に転換しても社債の部分はそのまま残っているのです。
ワラント債は証券取引所には上場されていず、店頭株のように、証券会社を通して売買されます。
分離型/非分離型
ワラント債には、社債の部分と新株引受引受権の部分を一緒にして売買する「非分離型」と、社債の部分と新株引受権の部分を別々にして売買する「分離型」があります。
「分離型」の場合は、社債の部分と新株引受権の部分は、別の有価証券として処理されます。
つまり、売買には、
①ワラント債として売る
②社債の部分だけ売る
③ワラント(新株引受権)の部分だけ売る。
と、3種類の方法が存在することになります。
ただし、ワラントには権利を行使する期間、価格が決められています。
株式累積投資制度(るいとう)
1993年にスタートした制度で、多数の投資家が共同で買い付けを行うものです。月々1万円から1000円単位で積立てる形で投資することができるため、個人投資家が少額の資金で投資ができます。
投資家は証券会社が選んだ投資対象銘柄の中から最大10銘柄まで選んで指定します。
証券会社は同じ銘柄を指定した投資家の払込金を合わせて当該銘柄を購入、株式は証券会社の名義で証券保管振替機構に預託されます。
払い込み金額に応じて投資家は持分を保有することになり、持分が単位株に達したところで投資家に渡され名義変更を行います。
投資額が毎月一定であるため、株式の買付けは株価が高いときには少なく、低いときには多く行うことになります。このような買付け方法を「ドルコスト平均法」と呼び、長期にわたって買付けを行うに従って1株当たりの買付け価格が安くなるため、結果的に有利な投資となります。
この制度は個人投資家の市場への呼び込みを狙ったもので、投資家にとっては気軽に、しかも長期間継続して投資を行うことができるというメリットがあります。
株式ミニ投資
通常の投資単位の10分の1で取引ができる制度。
例えば、通常の株式の場合、株価が500円なら500円×1000株で購入代金は50万円になります(売買手数料が別途必要)。
これがミニ株なら売買単位の10分の1で投資できるわけですから、株価500円×100株で5万円で購入できます。
50万円を「単位株」で購入するよりも、いくつかの銘柄に分けて「ミニ株」投資する方が、リスクを分散できるのです。
ヘッジファンド
アメリカで生まれた、金融機関や少数の大口投資家から出資を受けて運営される投資のための私的な機関。運用にあたる本人も出資するのが一般的です。
デリバティブを多用して投機的な運用を行い、高い収益をあげることを目的としています。
しかし運用実績の報告以外に規制がないため実態の把握が難しく取引の規模も多きいため、投資に失敗したり破綻した際には巨額の損失が出たり、市場そのものに混乱を与えかねないという懸念もあります。
90年代終盤にジョージ・ソロス氏が設立・運営したファンドは「アジア通貨危機の引き金となった」としてマレーシアのマハティール首相から名指しで非難され物議をかもしました。
以後各国で規制強化の動きもありますが、必ずしも危険なものばかりとはいえません。
カントリーファンド
ある特定の国や地域の有価証券を中心に運営するクローズドエンド型の会社型投資信託。外国人の取引に制限を設けている国の株にも投資できることが魅力です。
1991年から大証に、ロンドンまたはニューヨーク証券取引所に上場しているファンドに限って上場を認めており、タイやシンガポールなどのアジア諸国や東欧諸国のファンドが上場されています。