信用取引
投資家が証券会社にからお金や株券を借りて売買を行うことで、短期間内にキャピタルゲインを得ることを狙った投資方法です。代金の決済は6ヶ月以内。
委託保証金を証券会社に担保として預託することで取引が可能なため、市場取引が活発化・円滑化する効用があります。
しかし、使い方によって投機的で危険な取引と言うこともできます。
損をしていても期日がきた時点で決済されます。
信用取引を使って売買できる銘柄を「信用銘柄」と呼びます。条件付で二部銘柄や店頭銘柄も信用取引が可能です。
一般信用取引
弁済期限等について証券会社と顧客間での合意内容にしたがって行う信用取引のこと。1998年12月から導入されました。
一般信用取引の場合、証券会社は賃借取引を行うことはできません。
制度信用取引
証券取引所の規則により決済期限や品貸料が決められている信用取引のこと。対象銘柄が取引所に上場している銘柄に限られています。
1998年12月から、信用取引の名称が制度信用取引となり、決済期限は6ヶ月以内となりました。制度取引の場合、証券会社は賃借取引を行うことができます。
自己融資
信用取引の際に証券会社が自分の手持ち資金や株券を貸付けること。
貸借取引
信用取引において証券会社が資金や株券を自社で調達できず、投資家の注文に応じきれない場合に、証券金融会社から借りること。
証券金融会社とは、証券会社に不足分を貸す専門会社です。
貸借取引の行われる銘柄を「貸借銘柄」と呼びます。
証券金融会社と証券取引所が一定の基準を設けて信用銘柄の中から指定します。
東証の基準では2000万株以上の上場株式数とされており、業績の不信で指定から外されることもあります。
証券金融会社
資本金5000万円以上で金融再生委員会の免許を受けた証券金融専門の株式会社。日本証券金融、大阪証券金融、中部証券金融があります。
主な業務は次の通りです。
・証券取引所の正会員会社(=証券会社又は外国証券会社であって、取引所において有価証券の売買等を重要な業務とする会社)に対して、信用取引の決済に必要な金銭または有価証券を貸し付ける業務
・証券会社が公社債の引受・売買に伴って必要とする短期の保有資金を貸し付ける業務
・証券会社及び個人投資家等に対する貸付業務
委託保証金
投資家が証券会社に差入れる担保。通常保証金は、借りる金額の30%以上が必要です。
委託保証比率は取引所が定め、信用取引が過熱した場合などには保証金率を引き上げて調整される場合もあります。
売買約定日の翌々日の正午までに差し入れなければなりません。
有価証券で代用することができ「代用有価証券」と呼ばれ、上場株のほか、公社債や店頭株なども認められています。
担保掛け目
有価証券を担保として使う場合、現金よりも低く評価されます。この評価率を「担保掛け目」といいます。
上場株で時価の70%、店頭株で60%、国債で額面の95%、転換社債やワラント債で額面の80%とされています。
貸借保証金
証券会社が証券金融会社に差し出す担保のことです。貸付額の30%とされています。
追い証
信用取引において、委託保証金が株価の変動などで不足した場合、証券会社から追加の保証金を求められます。これを「追証」と呼びます。
当初に差し入れた委託保証金から不足分を差し引いた額が約定値段の20%を割らないように決められており、これを委託保証金維持率といいます。
割った場合は、その日の翌々日の正午までに20%を回復するように差し入れなければなりません。
弁済期限
信用取引株券の買付けを行った顧客は証券会社から借りた買付資金を、売付けを行った顧客は証券会社から借りた売付け株券を、それぞれ所定の期限までに返済しなければなりませんが、この期限を弁済期限といいます。
弁済期限は、制度信用取引においては6カ月、一般信用取引においては顧客と証券会社との間で合意した期限となっています。
空売り/空買い
借りた株を売ること。下落すると思われる株を売り、値下がりした時点で買い戻し、株を返却します。差額が利益になります。
「空買い」は借りたお金で株を買い、値上がりした時点で売ってお金を返却します。
いずれの場合も決済は6ヶ月以内です。
保険つなぎ
「つなぎ売り」とも言います。値下がりしそうな株を信用取引で売っておけば、その後の価格下落リスクを軽減することができます。
差金決済
現物の受け渡しをせずに、売り買いの価格の差額の授受によって決済することをいいます。実際に受け渡しを行うことを「現物決済」と言います。
融資金利
信用取引において、買付代金の融資を受けた人が支払う金利のことで「買い方支払い金利」とも呼ばれます。
また貸借取引において証券会社が証券金融会社に支払う金利を指す場合もあります。
貸株
証券会社が投資家に貸した株。証券会社で調達できない場合は証券金融会社から借り、それでも不足するときはさらに外部から借り入れます。
このような株式の流通する市場のことを「貸株市場」と呼ぶ場合もあります。
取組み
信用取引における買い残と売り残の関係をいい、相場の先行きを垣間見ることができます。
仮に買い残が増加して残り残が減少したとすると、相場は上がると予測できます。
規制銘柄
取引所では投機的な取引が過熱化していると判断した場合に、次のような規制を行います。
・その銘柄の委任保証率の引き上げ
・代用証券の担保掛け目の引き下げ
・委託保証金の一部現金徴収
これらの措置を受けた銘柄を「規制銘柄」と呼びます。相場全体が加熱していると判断されたときは、信用取引銘柄の全てに及ぶ全面規制措置が取られます。
日々公表銘柄
投資家に注意を促すために個別の銘柄について毎日信用取引残高の公表を行っています。
信用取引の過度の利用を防止するための措置で、規制銘柄とは異なります。
なお、日々公表銘柄以外の信用残高の公表は週1回です。
手じまい
信用取引で投資家が証券会社から借りている株券や資金を返済すること。
手じまいの方法には、「現引き」(融資を返済して担保の買い付株券を引き取る)、「現渡し」(借株を返済し担保の売付代金を受け取る)「反対売買」(売っていた株を買い、もしくは買っていた株を売る)による返済があります。
反対売買
信用取引においては、買っていた銘柄を売らなくてはならない期日、あるいは売っていた銘柄を買わなくてはならない期日が決まっています。
その期日までに、これらの銘柄は反対の売買を行わなくてはなりません。
このことを反対売買と言います。
決済は、現物(株券など)や売買代金の総額では行われずに、買いの代金と売りの代金の差額で行われます。
現引き/現堤
買建てを行っている場合において、買付代金相当額を証券会社に渡して、担保となっている株券を引き取ること。品受けとも言います。
現堤とは、売建てを行っている場合において、売り付けた株券を返済し、代金を受取ることを言います。品渡しとも言います。
乗り換え
信用取引の期日が到来したときに、いったん決済を行い再び同じ銘柄を売買すること。
また単に手持ちの株を売却して、別のものを購入することも指します。
シコリ
信用取引で損をしている買い株が多く、動きのとれない状態。こういった状態に陥っている株を「シコリ玉」と言います。
買い方/売り方
信用取引で買っている投資家を「買い方」、売りをいれている投資家を「売り方」といいます。ひとつの銘柄を長期間買い(売り)続けている投資を指すこともあります。
買い乗せ/売り乗せ
「買い乗せ」とは、投資家の思惑通り値上がりしたため同一銘柄の買い増すことで、「売り乗せ」とは、売り方が値下げの拍車を目的とし売りを増やすことをいいます。
ドテン
買い・売りの残高が逆転することをいいます。投資家が買っていたものをすべて売って、売りに転じることを「ドテン売り越し」と言い、売り手が買い手に転じることを「ドテン買い越し」と言います。
買い戻し
信用取引の売りの決済時に証券会社から借りていた株を返すこと。値上がりしていても、損を覚悟で買い戻す場合があります。これを「踏み」と言います。
踏み上げ
売った値段よりも高く買い戻すことを「踏み」と言いますが、「踏み上げ」とは、この買い戻しにより株価が急騰することを意味します。
他の原因には、弁済期限の到来による買戻し等が考えられます。