株式
株式会社の株主としての持ち分(権利)を示すもの。法律上では株主権を指し、一般的には株券そのものを“株式”と呼んでいます。
株式はアメリカではストック(Stock)、イギリスではシェア(Share)と表現され、発行するのは株式会社です。
株の起源は1602年に設立されたオランダの東インド会社にあると言われています。この会社は、投資家を募って運用資金をまかない、このとき投資家に「確かに資金を提供していただきました」ということの証明に発行したのが、世界で初めての株券になります。
額面株式/無額面株式
額面株式とは1株当たりの金額を株券に表示してあるもの、無額面株式は金額ではなく「総発行株数の中の○株」と株数が記載されています。日本の会社の株式のほとんどは額面ですが、「セブン-イレブン」は、無額面株を発行しています。
1982年10月以降に設立された会社については、その年の商法の改定によって、1株当たりの額面金額は5万円以上と規定されていますから、公開当事話題になったNTT株やJR東日本株などは、額面が5万円で発行されています。
ただ、上場企業のほとんどは、1株当たり50円になっています。それは、1951年以前に設立した会社は最低20円、それ以降1982年9月までに設立した会社は最低500円という数字が1株あたりの額面金額になっていたからです。
現在上場している会社のほとんどは、戦前か戦後間もなくに設立された会社ですから、額面金額が50円になっているのです。1951年以降上場した電力株は500円株となっています。ちなみに、額面株と無額面株の両方を発行することもできます。この場合、株主は「額面株式」を「無額面株式」に変更したり、その逆を行うこともできます。
普通株
一般的な株式。日本の企業が発行し取引されているもののほとんどが普通株です。優先株や後配株のように、株主の権利を限定していないものです。
優先株式
利益の配当や、会社が解散する際の残余財産の分配などが優先的に受けられる株式。ただし株主総会に出席するなど、経営に参加する権利は与えられていないのが普通です。
優先株には「参加型優先株」(普通株主配当も受けられる場合がある)と「非参加型優先株」(優先配当しか支払われない)があります。
また「累積型優先株」と「非累積型優先株」という区分もあります。累積型はある年度の優先配当の金額が定められていた額に達しなかった場合に、次の年度以降不足分が利益の中から支払われるというもので、非累積型では繰越は行われません。
後配株式/劣後株式
配当を受ける権利、残余財産の分配などの順位が普通株よりも後になる株。
主に会社の発起人などに対して発行されるもので、「劣後株式」とも呼ばれます。
無議決権株式
株主総会において議決権(経営参加権)を持たない株式。投資のみを目的とする株主は議決権をさほど重要とは考えないため、このような発行形態が増えつつあります。
ただし無議決権の発行は発行済み株式総数の3分の1以内で、優先株に限られています。
利潤証券
企業は利益の一部を配当金として株主へと分配します。赤字の際には無配の場合もありますが、株式は配当金を生み出す「利潤証券」であると考えることができます。
物的証券
株式を「物」として見る考え方。太平洋戦争終結後のインフレで貨幣価値が落ちた際に、お金を物に換えておこうとする換物的な考え方から大量の資金が株式に流れ込みました。
このときから株は物であるとする考え方が広まったとされていますが、株式を物的証券として見ることは疑問視せざるを得ません。
額面発行
株式を額面金額で発行すること。以前、企業が増資を行う際は額面発行が主流で、投資家にとっては大きな魅力でした。
新株入手の際、額面分の金額を支払えばよいため、現在の株価と額面金額との差額(プレミアム)を手にすることができます。
時価発行
増資ために新株を発行する際、発行価格を時価に近い値にすること。額面分の残りはプレミアムとして企業側に入ります。
企業はこのお金を資本準備金などの形で積み立てることができ、資金調達も容易にできます。額面発行は株主サイドに有利、時価発行は企業側に有利な形態といえます。
80年代後半には多くの企業が時価発行を行うようになりましたが、90年代に入ってバブルの崩壊による株価低迷や一般投資家からの反発が相次ぎ、募集割れも続出しました。
このため、時価発行増資を行う企業は少なくなりました。
しかしその後、利益還元やディスクロージャーなどの企業努力によって、90年代後半から、また増え始めています。
中間発行
時価発行の一種で、額面と時価のほぼ中間の価格で新株を発行する方式。ドイツで広く行われていることから「ドイツ法式」とも呼ばれています。
額面発行はコストが高く現在ではほとんど行われず、時価発行は株価が高くなりすぎて投資家は敬遠するという欠点があります。
ただし発行価格には、「時価の2分の1以下で適正な水準」または「1株当たり純資産以下」といったガイドラインがあります。
株式分割
1株をいくつかの株式に分割し、すでに発行されている株式数を増やすこと。
仮に1000株が1.2株に分割されたとすると、株主の持ち株は1200株に増えることになります。配当がそのままだと、200株分増配になるわけです。
一方企業にとっては、新たに資金調達を行わずに新株を発行することができるわけです。
株数が増えることによって市場への供給量が増え、理論上は株価が分割比率に応じて安くなる(2分割なら2分の1)ため、取引が活発になるという効果があります。
株主の持分である株主資本が増えるわけではありませんが、購入しやすい価格になると市場人気も高まり、株主にとっても値上がりや増配を期待できるというメリットがあります。
株式分割は原則として、その会社の取締役会の決議で行うことができます。
かつては、商法により、分割後の1単位当たりの株主資本(純資産)が5万円を下回ってはならないという規制がありましたが、2001年10月施行の改正商法により、その規制は撤廃されました。
また、額面金額を下回ってしまう分割はできません。50円額面の会社なら、1株当たりの資本金が90円だと2株には分割できません。
株主権
株主には「自益権」と「共益権」の2つの権利があります。「自益権」には、
①配当請求権
②新株引受権
③残余財産分配請求権
などがあります。
①は配当に関する権利です。株主である以上、出資比率に応じて会社の利益の還元を受ける権利を保有しています。
②は株主が新株を取得することができる権利のことです。権利が株主にあるものを「株主割り当て」、縁故者(メインバンクや取引先など」にある「第三者割り当て」といい、会社の取締役会で割り当てを決めることになっています。
③は会社倒産などのとき、残余財産の分配を受ける権利のことです。
「共益権」には、会社経営に参加する権利などがあります。ただし、参加するといっても、実際に会社運営していくわけではなく、株主総会に参加する権利、株主総会での議決権を持っているということです。
株主の権利にはこのほか、名義書き換えを求める権利、所有株数に応じた少数株主権などもあります。
これらの権利は株主に平等に与えられ、「株主平等の原則」と呼んでいます。
少数株主権
大株主や役員などの専横を防ぐため、少数株主に与えられている権利のこと。
発行済株式総数の100分の1以上を保有すると提案権、100分の3以上は株主総会招集請求権や帳簿閲覧請求権、10分の1以上には会社更生新申立権などが認められています。
大株主
多くの株を保有する株主を指しますが、明確な基準はありません。最も保有する株が多い者を「筆頭株主」と呼びます。
株主総会
株式会社の意思を決定する上での最高機関と位置づけられています。
すべての株主は株主総会に出席する権利や議決権など経営に参加する権利を持っています。
とは言え、過去においては「総会屋」によって仕切られ、一般の株主には発言するチャンスなどありませんでした。商法の改正や企業努力によって総会屋の締め出しが行われ、ようやく日本の株主総会にも変化の兆しが見えて来ました。
決算期に開催される定時株主総会と臨時株主総会があり、6ヶ月前から発行済株式総数の3%以上を保有する株主は臨時株主総会を招集することができます。
株主優待制度
主に個人株主を対象としたサービス。
例えば、小売業や外食産業では割引券、鉄道や航空会社であれば回数券などを配布したり多様なサービスが見られます。
個人投資家を市場に呼び戻すために「株主優待」を行う企業が増えています。
名義書き換え
株主の権利を行使する為には名義書換の手続きが必要です。
名義の書き換えは、各発行会社に指定された信託銀行、証券代行会社に依頼してもいいですし、発行企業に直接持ち込むこともできます。
この手続きを終え、株式名簿に自分の名前が記載されると「株主」と認められ、様々な権利が自分のものになります。
キャピタル・ゲイン
株式の値上がりによる売買益のこと。キャピタル・ゲインが得られる反面、キャピタル・ロス(値下がり損)を被る場合もあります。
株式を所有するメリットは、このキャピタル・ゲインにあるといってもいいでしょう。
買ったときの10倍、20倍になることもあるわけですから、投資家は毎日の株化速報に一喜一憂するのです。
インカム・ゲイン
配当、利子による収入。
無配の場合にはインカム・ゲインは無いし、キャピタル・ゲインのような大きな収入はない反面、リスクの少ない安定した収入と見ることもできます。
インフレ・ヘッジ
インフレによる保有資産の相対的価値が減少する損失を回避するために、株式や不動産、貴金属などに投資することです。
株式の場合、価格は上昇してもインフレによって企業の業績が悪化することも考えられるため、インフレ率以上の価格上昇が期待される資産としては疑問視されることもあります。
持ち株会社
他の会社を支配・管理下に置くことを目的として、他の会社の株式を保有する会社のこと。
他の会社の支配のみを目的とする会社は「純粋持ち株会社」、他に本業を持っている場合は「事業兼営持ち株会社」と呼ばれます。
戦後、独占禁止法によって禁止されていましたが、1997年に改正が行われると小売業のダイエーがこれを設立。NTTも東西分割と同時に持ち株会社を設立しました。
金融持ち株会社
金融機関の持ち株会社のこと。持ち株会社が銀行、信託、証券、保険の会社を子会社として持ち、金融サービスを効率的・総合的に提供することを目的としています。1999年に大和証券が第1号の金融持ち株会社を設立しました。
株式持ち合い
グループ企業間や協力企業間で株式を相互に保有し合い、経営の安定化をはかること。戦後財閥は解体されましたが、海外からの企業買収に対する懸念が高まるにつれて安定した株主を確保するため持ち合いが増加。またお互いの事業において安定的な取引を期待できるため、1980年代までは旧財閥系を中心に活発に行われていました。
しかし90年代に入り景気が後退すると自由な取引の足かせとなっていることが表面化。
持ち合いの中心的存在だった銀行も経営状態が悪化し、持ち合いを解消して株式を売却する動きが出てきました。これを「持ち合い解消売り」と呼んでいます。
2000年の時点では、東証上場企業の株式時価総額約400兆円に対して、その1割(40兆円)が持ち合い株で占められています。
金庫株
自己株式を保有することを金庫株、または自己株と言い、インサイダー取引の原因や会社支配に繋がるとして商法により禁じられてきました。
しかし1990年代に入ると過剰に発行した株の処理が問題化。
また持ち合い解消後の株買い占め防止の意味でも自社株保有の必要性が高まり、1994年に一部制限付きながら認められ、2001年10月にはついに解禁されました。
自社株買いによって、市場における株式の需要が正常となって株価の価格が安定するため、各企業でこの動きが広まりつつあります。
従業員持ち株制度
会社がその従業員に自社株を保有させる制度。
自社株を買い、従業員持ち株会が運用し配当は再投資されます。自社株を保有させることで会社に対する忠誠心を養い、安定株主を形成する狙いから行われるもので、会社側で一定の補助をしている場合が多く見られます。
上場企業のほとんどが採用しており、持ち株会が大株主というケースもあります。
配当/現金配当/株式配当
株主に分配される利益のこと。すべての株主は利益の還元を受ける権利を持っています。
企業側は決算期ごとに利益の分配を行わなければなりません。配当には「株式配当」と「現金配当」があり、一般的には現金配当のことを指します。
株式配当とは、配当の全部または一部を新株で行うことで、配当額を資本金に組み入れ株主に新株を渡します。
また、普通配当(通常決算期)、特別配当(利益が出た場合)、記念配当(創立などの記念)とに分けられます。
中間配当
1年決算の会社が営業年度の中間で行う配当のこと。1974年の改正商法によって、年1回決算の会社は定款に定めれば年2回行っても良いことになりました。
ただし2週間以上前までに証券取引所に届ければ中間配当を見送ることも可能です。
無配
配当を行わないこと。赤字や利益を出せなかった場合には、無配となる可能性もあります。
前決算期までは配当を出していた会社が無配になることを「無配転落」、2度続けて無配の場合は「無配継続」と言います。当然、市場には悪い印象を与えることになります。
また無配の会社の株を「無配株」、配当のある株を「有配株」と呼びます。
配当性向
税引き利益(純利益)に対する配当金の割合のこと。どのくらい配当する力があるのかを見る指標の1つで、次の計算式で求められます。
配当金÷税引き利益×100
例 発行株式数100万株、年10円の配当、純利益1億円の場合
配当金の総額 10×100万株=1000万
1000万円÷1億円×100=10%
この配当性向が低ければ、配当にゆとりがあり、今後増配の可能性もあるわけです。
ただ、低いと言っても企業が利益に見合った配当をしていない可能性もあります。
ただ普通は、配当金を除いた利益は内部資金として投資され、また新たな収益を生むサイクルで循環していきます。
逆に配当性向が高い場合は、ゆとりがないわけですから、減配に転じる可能性があります。
タコ配
配当に必要な利益が出ていないのに、資産売却、利益剰余金などで配当すること。
この場合、配当性向は100%を超えます。蓄積を食うことになるので、投資家は注意する必要があります。
余談ですが、自分の足を食べて生き延びるタコにたとえて「タコ配」と呼びます。
配当落ち
配当を受ける権利がなくなること。決算期末の支払いを過ぎると配当金を受けられなくなります。
期日を過ぎた翌日からは理論的には配当の分だけ株価が下がったことになります。
株主優遇策
増配や株式分割などによって株主にサービスすることです。ただ状況に応じて当然行うべき措置であり、これらを「優遇策」とするかは疑問の声もあります。
増資
会社が新株を発行して、資本金を増やすこと。増資の目的は設備投資や運転資金の確保ですが、中には苦し紛れに増資を行うケースもあります。
「有償増資」とは、投資家から払い込みを受けて新株を発行することで、増資と言えば普通は有償増資のことです。
ほとんどの場合は時価発行で、一般投資家を募る「公募」形式が取られます。
株主割り当て
株主に新株引受権を与えて新株を割当てる方法。株主は額面金額で新株を手にすることができます。
第三者割り当て
業務提携の相手先、取引先、従業員や役員など特定の相手先に新株の引受権を与えること。資本提携や関係強化、または業績悪化の会社が再建のために行うことが多く、「縁故募集」「縁故者割り当て」とも言います。
新株の発行価格を有利に設定する場合、既存の株主の利益を損なう場合もあるので、株主総会において特別決議が必要になります。
エクイティ・ファイナンス
転換社債、ワラント債、有償増資などの、新株発行・自己資金の増加をともなう資金調達のこと。
これに対し、負債(借り入れなど)による資金調達を「デッド・ファイナンス」と言います。転換社債が株式に転換されなかったり、ワラント債の新株引受権が行使されなかった場合、結果的にデッド・ファイナンスとなります。
プレミアム
現在の株価と額面金額の差額のこと。時価発行増資を行った場合、調達資金の2分の1を資本金に、残ったプレミアムは資本準備金に組み立てることになっています。
食い逃げ増資
企業が増資後、公約した配当を支払わないこと。
増資を決定した時点で、会社側は増資後の収益や配当計画も公表し、投資家この計画をもとに出資するかを決めます。
しかし業績の悪化などで目標収益を達成できないと、最悪の場合は無配となることも起こり得ます。
株主にとってはまさに「食い逃げ」されたもの、というわけです。
失権株
新株を引き受ける権利があるのに放棄した株。
会社が増資を行い新株引受権を与えても、株主側は支払いに応じず、権利を放棄する場合があります。失権株が生じると、再度新株の募集をして資金調達に努めますが、再募集せず切り捨てることもあります。
これを「切り捨て株増資」と呼んでいます。
新株
発行している株を旧株(親株)と言うのに対し、増資や合併により新しく発行した株を新株(子株)と言います。
最初の決算期までの期間の株式のことです。
旧株との配当金の相違がある場合もあるため区別されていますが、一度決算期を迎えると新株は旧株となります。
これを「新旧併合」と呼んでいます。
企業の業績
金利や為替なども株価に大きな影響を与えますが、銘柄を選ぶ段階で一番重要なポイントは、やはり企業の実績です。赤字経営では株式の配当もままならないわけですから、そんな株をあえて買う人はいないでしょう。
企業側から見ると、株式市場は「必要な資金を提供してくれる場」と考えることができます。企業は事業展開し成長していくので、資金確保は重要です。
景気が良ければ企業の業績は上がります。
そうすれば配当金も多く支払われます。
ついで、その会社の株式の人気が集まり株価は上昇します。こうして動く相場を「業績相場」といいます。
ただし、注意が必要なのは、株式を買う場合に重要なのは過去の実績なのですが、判断の目安にすぎない点です。
いくら去年の業績が良くても「これでいっぱいだ」というケースも少なくありません。
逆に「今年の業績は良くなくても、「新商品開発したらしいから来年は伸びるぞ」というケースもあります。
ですから、業績と株価が必ずしも連動するわけではありません。
金利
企業の業績や為替相場も市場に大きな影響を与えます。その中でも、金利の動向は見逃せません。
金利と株価の関係の基本形は、金利が上昇すると株価が下落、金利が下落すると株価が上昇するというものです。
例えば、お金が100万円あります。タンスに入れておくより銀行などの金融機関に、と考えます。
そこで、「普通預金にしようか、定期にしようか、MMCか・・・」などと考えます。できるだけ金利の高い商品というのが判断基準になります。
金利が高ければリスクをおかしてまで株に手を出さない、と普通は考えるでしょう。逆に金利が低ければ、高利率の金融商品=株に目が向くのです。
現在は「借りるにはいいけど、預けるのはちょっと」という低金利時代です。だから株式市場に活況が戻ってもいいはずですが、一進一退を続けている状態です。
バブル経済のときには、不動産が上昇し、株式市場にもそれなりに恩恵がありました。今は不況時代で、株価の水準は決して高くはありません。
不動産相場の下落と低金利という状況で、マイホームなどの現実に目を向けている、というのが実情のようです。
バブルの残した爪あとが、金利と株価の関係を微妙に狂わしてしまったようです。
為替
為替の動向も株価と密接な関係にあります。円高だと株価は上昇します。
というのは円高=日本通貨が強い=日本の経済力が強いことを意味します。
日本の経済を支えているのは日本の企業ですから、日本企業の国際競争力が強まっていることを意味します。
であれば、強い経済力を持つ日本企業の株式が買われるのは当然で、株価はもちろん上昇していきます。
そのほか外資が日本に流れますから、国内にお金がだぶついてきます。すると借金する人が減少するので、金利を下げてできるだけ貸し出そうとします。
金利も他の経済の原則と一緒で、供給過多になれば下がるのです。
円高になり、日本経済の国際競争力が強まるのは良いのですが、その反動でドルが暴落しては何にもなりません。
それは、ドルはマルク、ボンドなどと同じように国際通貨として認められているからです。これは基軸通貨といいますが、国際的な決済にも使用できます。
長年アメリカは世界経済を支えてきました。そのアメリカが国際的な信用を失うことにもなりかねないのです。
ですが、国際協力体制によって、ドル防衛に各国とも積極的に動いています。日本でも日銀が市場に介入し「ドルを買って円を売る」など円高が進みすぎないようにします。
さらに日米の金利差を広げ、金利を下げドル投資を促進させるといった政策も実施します。
こういった意味でも、為替は株価に大きな影響を与えているのです。
ただ、円高が株価を上げる要因といっても限度があります。あまり円高だと生産コストが上がり、企業の業績を圧迫することにもなりかねません。
実際に製造業では円高が進みすぎると、株価が下落する傾向にあります。
自然災害/気候
企業の業績を上げる要素があれば、株は上昇します。
ここで見逃せないのが、気候と株価の関係です。
例えば、今年は猛暑で寝苦しい夜が続きます。真夏日が連続すれば、エアコンが効かないからと買い換えたり、ビールでも飲もうという日が増えるでしょう。すると、家電業界やビール業界の売上は上昇します。
つまり、気候の変化が株価を動かす要因になるわけです。
また、大災害も株価に影響します。社屋が瓦解したりすれば、その会社の株価は下落することでしょう。
一方、修復作業に関わる土木・建設関係の会社は、仕事量が増え業績が上がり、株価が上昇する可能性があります。
このように予測できない事態ではありますが、自然災害も株価に大きな影響を与えます。
新興産業
株価は企業の実績を評価し、その将来を先読みして変動していくものです。
「新しい技術が開発された」といっては、株価に反映し株価を押し上げます。
株価とは投資家の思惑を内在しながら動いていくのです。
好感が持てる材料が出ると、当然株価は上昇していきます。
ソニーの「ウォークマン」や「プレイステーション」のように、爆発的なヒットを生み出す商品を開発すれば、投資家の期待が集中し、株価は上昇します。
予測をもとにして動くこの種の株は、ダメだと判断されると見事に下落します。夢を見て買ったが大損だったということもよくあることなのです。
とくに新技術、新製品の開発のニュースが流れると、「理想買い」が起こり、一時的に株価は上昇します。が、結局は熱が冷めたように株価が下落していくことも多いのです。
とくにここ数年は、新技術、新製品の開発、発表が盛んにありますから、銘柄選びには十分に注意したいものです。
国際情勢
アメリカ経済が加熱し、対照的に日本の経済は不況を抜け出せないものの、世界が日本の経済力に期待し、注目している事実に変わりはありません。
世界経済の中心に日本が飲み込まれていくにつれて、株式市場も国内の諸問題だけではなく、世界で起こる様々な事件、出来事が市場に反映するようになりました。
2001年9月のアメリカの同時多発テロは衝撃的な事件でした。
この影響で、ニューヨーク株式市場は約1週間機能を停止し、再開後は、景気悪化への懸念から全面安となり、ダウ工業平均では史上最大の下げ幅を記録しました。
特にハイジャックの影響もあって、航空関連株は軒並み30%~50%という暴落状態になりました。
日本の株式市場でも影響を受け、日経平均で1万円を割っていた株価が、なおも下げ続けました。
アメリカが世界に与える影響を改めて知らされた大事件でした。
株式市場は市場自体が大きな意思を持ち、どんな材料が流れるかで、株価は大きな影響を受けるのです。
政治
株価は基本的に、経済的な要因で動きますが、様々な経済政策は政治によって決定するのですから、政治と経済は切っても切り離せないと言ってもいいでしょう。
政府が変われば経済政策が変わり、財務大臣の示す経済政策で金利が変わり、株価が動くこともあるのです。
また、政治は為替にも大きな影響を与えますから、政策ひとつで株価は左右されるのです。
ここ数年株価は冷え込み気味ですが、バブル経済が崩壊し、政権が変わるという激変の中では仕方ないかもしれません。
以前でしたら、自民党の政権が揺らぎ、保革逆転という情報が市場に流れると、経済の先行き、インフレ等を懸念して株価が下落したりしました。
政治家個人が政治資金を調達するために利用している銘柄を「政治銘柄」といいます。
一般銘柄というよりは仕手系の銘柄に属します。選挙の前などに動きます。
政治家個人の特定の銘柄について、有力な情報を流し、売り抜けるといわれていますが、政治家と発行企業、仕手筋などの関係についての真実はヤブの中というのが現状です。
キャピタル・ゲイン課税
購入した株式の値上がりによる売買益のこと。
これには税金がかかります。
以前は売買回収や取引株数に制限があっただけで、非課税でしたが、不公平税制是正の一貫として89年、課税されるようになりました。
課税方式には、源泉分離、申告分離の2種類があります。
申告分離課税は一律26%(所得税20%、住民税6%)、源泉分離課税は売却代金の約1%です。
もちろん普通の税金同様、取得費などは排除されます。
また、非上場株式の売却に関しては、申告分離課税と決められています。
配当課税
株式の配当金には、総合課税か源泉分離課税のどちらかが適用されます。
総合課税の場合、他の課税所得と合算し納税しますが、申告義務免除や配当控除などの特典があります。
また、1銘柄、1回の配当金が5万円超25万円未満(年1回配当では10万円超50万円未満)の場合は総合課税か源泉分離課税の選択となります。源泉分離課税では、配当金の35%の税金が天引きされ、確定申告の必要はありません(住民税は別)。
ただし、1銘柄、1回の配当金が5万円(年1回配当では10万円)以下の場合は20%の源泉徴収だけで、申告の必要はありません(小額配当金の申告不要制度)。
みなし配当課税
利益準備金の資本組入れによる株式分割が実施された場合、「みなし配当」として、資本組入額を基に課税されます。
株主は源泉相当額を支払い株式を受け取ります。
源泉相当額を支払わない場合、株式は売却され、売却代金を受け取ります。
消費税
有価証券の売買、公社債の利子等については非課税です。配当金については対象外です。ただし、各種手数料には5%の消費税がかかります。